4つの基本「観察、傾聴、確認、共感」
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観察、傾聴、確認、共感
観察
患者の話のすべてが大事なポイントではないのです。
ですので患者の話は、テープレコーダーのようにすべてを暗記しようとしながら聴くのではなく、ポイントを見つけてそこに焦点をあてながら聴く必要があります。
観察すべきところは、患者が気持ちを言葉で表現している箇所(言語的表現…キーワード)4箇所、言葉以外で気持ちを表現している箇所(非言語的表現…キーメッセージ)
4箇所の合計8箇所です。
その8箇所に着目して、そこに焦点をあてながら、患者の話を聴いていくことが「観察」の基本姿勢です。
キーワードとキーメッセージの一致した箇所が重要なポイントです。
キーワード
- 感情用語
つらい、悲しいなど - 気持ち用語
生きている気がしないなど - セリフ用語
「お前が男ならなぁ」など - 独特の言い回し
自立心のみじんもないなど
キーメッセージ
1~3(外部観察法) 4(内部観察法)
- 眼や顔や声の表情の変化
- ジェスチャー
- 身体姿勢の変化
- 心がジーンとするところ
傾聴
患者の話をそのまま傾聴しようと思っていても、患者の伝えたいことをそのまま聴くことは案外できていないものです。
それは、話を聴くときにしばしば自分の頭や心の中に自分の思いが生じて、それが相手の伝えたいことをそのままに聴くことを妨げてしまうブロッキング現象が生じているからなのです。
このブロッキング現象によって患者の話のポイントを捉えられなくなってしまうのです。
患者の話を聴きながら自分の体験と同一視したり、比較したり、また自分の関心や興味から理解しようとしたり、また患者の話に対して意見や同情、違和感や不快感、罪意識が生じることや、また、急ぎの用事を思い出す、別の誰かのことが気にかかる、お腹が減ったと感じる、などがブロッキングのわかりやすい例です。
(下記ブロッキングリスト参照)
ブロッキング現象は自然現象なので避けることはできないのです。
誰も無心で聴くことはできません。できることはただひとつ、ブロッキングしたことに早めに気づいて、それをわきにおいて、患者の気持ちに焦点をあてなおすことだけです。
意見をしたり、評価をしたり、誘導するなどのブロッキングをわきにおきながら相手の話を聴き、本人の気持ちや感情を受け止め、変わったら共についていく、いわば「あなたは自由に考え、感じて」ください。
そして、「変わってもいいですよ。私はいつもあなたの思いを寄り添って聴いていますから心配しないで」といったフォローの姿勢を持った聴き方が傾聴の基本姿勢です。
ブロッキングリスト事例
思い込み、解釈、追体験、興味、関心、憶測、引っ張る、想像、意見、ガイダンス、話をそらす、言葉を避ける、自分の整理箱、質問、リハーサル、シナリオ、深読み、誘導、自分の感情など。
- 自分の感情と違うとそれを言いたくなる。
- 相手の価値観に反論したくなる。
- 相手の価値観と同じだと賛同したくなる。
- 相手が全然わかっていないことをいうと、ガイダンスしたくなる。
- 興味や関心のあることは深く聞きたくなる。
- 質問したくなる。
- ハッキリしない態度に対してイライラする気持ちがある。
- 相手の印象や話し振りから勝手なイメージを作り上げてしまう。
- 自分の体験と似た話には自分の感情が生じてしまう。
- 言葉や態度、表情など一つのことにとらわれ、他のポイントをとらえられない。
- はじめのポイントにとらわれると、気持ちの変化についていけない。
- 話を要約して復習してしまう。
- 次の手順を考えてしまう。
- 深読み、憶測、解釈、思い込みなどで決め付けて聞いてしまい、心を真っ白にできない。
- 言葉を言い換えて確認したくなる。
- 死やセックス、性の話は、その言葉を避けてしまったり、話題を変えようとする気持ちがある。
- 技法や手順にとらわれ、相手の気持ちをイメージできない。
- シナリオをもってかかわってしまう。
- 判断や方向性を誘導したくなる。
- 別の用事が気になってしまう。
- 事柄が長いと焦ってしまう。
- 気持ちや感情を出さないことに対して、無自覚に怒りが起こっている。
- 気づきが深まらない時、話し手の解決エネルギーが弱いと思ってしまう。
確認
患者は必ずしも自分が何を言いたいのかをわかった上で話しているわけではありません。
最初は本人もわからないことのほうが多いものです。
患者が話し終えた時に、患者の言いたかった・伝えたかったポイント(キーワード・キーメッセージ)をまとめて繰り返したり、要約したりして、患者の表情や反応をみて確認することが大切です。
あなたは患者の気持ちの鏡になる。
自分が何を言いたいのかをわからないままに話した患者は、あなたが繰り返して確認することによって「自分はこういうことが言いたかったのだ!」、「自分はこういう気持ちなのだ!」、「それは言ったがそこまでは言っていない」と自覚していく。
これをミラーリング効果といいます。
ミラーリング効果とは
鏡のように繰り返すことで安心感をもたらすとともに、心の整理と隠れた気持ちや要求の自覚化をもたらします。
「あなたの言いたかったことは、うまく整理されて私に伝わったと思うかな?」などと問い、効果があった聴き方であったかをチェックする。
気持ち(キーワード・キーメッセージ)を的確にとらえて確認したときは、患者は実に生き生きとした表情や反応を返してくれる。
それが確認OKのサインです。
そうでないときは、患者の気持ちから外れてしまっているので、修正する必要があります。
修正をする際は、カウンセラー側(あなた)の推測(ブロッキングになることがある)で修正を試みてもうまくいきません。
患者に教えてもらうことが迅速で確実な修正方法なのです。
患者の表情・反応に違和感があった時には、「ごめんね、もう一度いいかな」、「ちょっと違うみたいだね」と言って患者に修正を手伝ってもらうことを促す。この修正方法をテーラーリングといいます。
テーラリングとは
もともとは「服を仕立てる」という意味ですが、患者の気持ちにぴったり合う言葉を仕立てるよう、患者の反応をよく観察しながら繰り返しや要約の内容やその非言語的な表現の仕方を直していくことです。
これは患者の体験があるとよくわかりますが、患者の気持ちにぴたっと仕立てられた繰り返しがなされないと「違う」という違和感が強くなります。
共感
患者が今、どんな状況の中でどんな気持ちでいるかをブロッキングしない程度にイメージし、感情移入し、患者になりきってそれを患者に示すことが共感の基本姿勢です。
患者のおかれている状況や気持ちをどれだけリアルにイメージしたり、想像することができるかがあなたの共感力を左右します。
共感には心を開く作用があり、癒しの力をもっています。
共感と同感と同情の違い
共感と同感と同情には違いがあります。
同情というのは患者の話を聴いて「かわいそうに」や「何とかしてあげたい」など聴き手の心に起こる気持ちです。
これは共感とは違います。同情は、悪い気持ではなく尊い気持ちですが、患者の話を傾聴しようとする際にはブロッキングとなります。
同感は、患者の話を聴いて、聴き手にとっても同じに思えることです。「そうですよね」、「私もそう思います」などと聴き手の価値観と一致し自分も同じに思うことです。
これも共感とは別のものなのです。
同感も悪い気持ちではなく、誰でも同感されると嬉しいものですが、患者の話を傾聴しようとする際にはブロッキングとなります。いい子の患者は同感されるように話を無自覚に変えるかもしれません。
共感とは、患者のおかれている状況と気持ちをブロッキングをわきにおいてそのままに受け止め、リアルにイメージして、感情移入して、なりきって患者に示すことです。
同感できないことでも共感はできます。
共感を成功させるための5つのアドバイス
- 患者の気持ちや感情を理解する
- その感情を生じた場面の具体的なイメージと、その時の患者の心の声(セリフ)やジェスチャーをもらう。
- 患者やそのかかわる人々の役になりきって、意識の上では患者にというよりは自分に語りかけるようにセリフを言う。
- その際、該当場面をイメージしながら気合の入ったセリフやジェスチャーを用いる。該当場面をイメージできるように意図的に「ゆっくり」言うのもコツ。
- 患者の「眼の重大変化」、自分の「心がジーン」とするかが成功のサイン。患者の不自然な表情には言い方を合うように仕立て直すこと。
いかがでしたか?
少し難しかったでしょうか。
いよいよ次はカウンセリングに挑戦です。
最初はぎこちないですが、慣れてくればとっても簡単です。
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